3月某日 CAR and DRIVER 4/26号購入。 眺めるうちに、1台のクルマに心を動かされる。 フィアット126・ピッコリーノ(写真)。 空冷2気筒652ccリヤエンジン、4速手動、左ハンドル、4人乗り、128万円。 |
(ダイヤモンド社CAR and DRIVER 4/26号より転載) |
クルマ自体は前から知っていた。1972年デビューの、かの有名な「フィアット500(チンクェチェント)」の後継車である。最低限のものしかついていない、遠い昔の大衆車(死語)である。 でも、まさか、いまの今まで、この21世紀のご時世まで延々と作り続けていたとは夢にもおもわなかったのだ。 実は10年くらい前(だとおもう)にも、同誌でこのクルマの記事を見た記憶がある。 その時もかなり興味をそそられたのだが、それっきりキレイに忘れてしまっていた。 現在はポーランドでノックダウン生産されているという。30年近く前にデビューした時とほとんど同じ顔、同じ基本骨格のまま。 昔のパブリカのように空冷2発のエンジンで、昔のスバルのようにリヤエンジンで、更に’70年代そのままのデザインで、ついでにチンクのように「カワイイ」なんてお世辞にもいえないようなやぶ睨みのブサイク顔(注:褒め言葉)で、挙げ句に街を走っていても同じクルマに会わないどころか、誰も名前すらぜんぜん判らないというマイナー志向心鷲掴みなこのクルマが。 しかも。 しかも。 これ、現在の規格内にちゃんと収まってしまうので、軽登録で乗れるのだ! 「高級感の権化」のようなクルマに乗っていてあまり説得力がないとおもう人もいるかも知れないが、ワタシこういったなーんにもついてないちっちゃな(言い換えればチャチい)クルマも好きである。だからパンダなんかもイイよな〜とかおもったりしていたのだが。 まぁホンネいっちゃえば、どんなクルマでもクルマならそれなりに好きなんですがね。 それでも流石にこのご時世に360ccの軽で歩くのは少々クルマにもドライバーにも酷であるとおもっている。これは一応は600ccあるから、チョイ乗り程度ならさほど苦痛や恐怖を味わうこともあるまい。 信頼性はさほどありそうもない(ポーランドって一応ミグを作るくらいの技術はあるはずなんですが…宇宙船つくれてもテレビが火ィ噴くって国もあるしなぁ)が、大体この手のクルマはリレーとかスイッチとかをちゃんとしたものに替えるだけで意外と壊れなくなることが多い。 そもそも大した電子デバイスなんかついてないし。 クーラーはつかないようだが、たったの23馬力ではついてても使い物になるまい。 その代わりにキャンバストップなんかつけてやった方がよっぽどイイ…なんて考えてるウチにどんどん欲しくなってきてしまった。困ったな。 とりあえず当面は主力戦闘機代替の予定はございません。クラタク号が再起不能なほどブッ壊れたりしない限り。ですけれども、もしそういう事態になったりした場合、コイツは現在のところかなり候補として有力な1台であるといえましょう。 ただ、コレ、ショップが試験的に輸入したもので、今んとこ現車一台だけとのコトです。 興味を持たれた方はこちら↓へ。 |
フィアット500専門店『オンタリオ』のホームページ http://www.ontario.co.jp/ |
…セカンドカーとして買っちゃうって手もあるな…あるいは、おかんか妹に無理やりでも免許取らせてソレをダシに…ブツブツ… |
追記: 同車は2000年9月をもって生産を中止されていたとのことです。残念。 でも、つい最近まで生産されていたというのは大きい… 何しろ、「経年変化」というものがないわけですから。 |